HOME > ブログ > アーカイブ > 2017年9月

ブログ 2017年9月

溶解度、そのまま解くか、まとめて解くか

9月に入り、今年も過去問の演習が始まりました。
 
今日は理科の水溶液の話です。
 
水溶液の分野の中でもよく出題されるのが、溶解度の計算です。
例えば最近では東海中学の2015年度の入試に、ミョウバンの溶解度についての計算問題が出題されています。
 
抜粋しますと、
 
ミョウバンの結晶は50mLの水に60℃で28.7g、20℃では5.7g溶ける。
60℃の水200 mLにミョウバンを溶けるだけ溶かし、20℃まで温度を下げると、何gのミョウバンの結晶が出てくるか。
 
といった感じの問題です。
 
解き方は2通りあります。
1つ目はそのまま水50 mLあたりに溶ける最大量を、200mLあたりにそれぞれ換算し直します。
具体的には200÷50=4 より、4倍です。
28.7×4=114.8 より、60℃の水200 mLには114.8g溶けます。
5.7×4=22.8 20℃の水200 mLには22.8g溶けます。
あとは、水温を下げることで溶けきれなくて出てきてしまった分のミョウバンの質量を求めます。
114.8-22.8=92 よって答えは92gです。
 
解法的には考えやすいのですが、4をかけるという計算が2回出てきます。
 
2つ目は、この4かけるという計算を最後に行うという解法です。
先に水温を下げることで溶けきれなくて出てきてしまった分のミョウバンの質量を求めてしまいます。
28.7-5.7=23 より、水が50mLならば23gが溶けきれなくなってでてくるミョウバンの質量です。
しかし、問われているのは水200mLについてなので、
200÷50=4 より、4倍に換算しなければなりません。
23×4=92 よって答えは92gです。
 
どちらの解法も答えは同じです。
計算が得意な人であれば、時間はそんなに変わらないかもしれません。
しかし、2つ目の解法の方が、計算の量が少ないので計算ミスも少なくなります。
しかも、東海中学の入試問題となると、他に難解な問題もありますので、簡単な問題はなるべく早く解いて、
制限時間を難問に当てたいものです。
 
…もうお分かりですね。
この問題は、2つ目の解法に気付いた人は、小数点の計算が少なく、より早く解けるようになっているのです。
上手く作られています。
より良い方法に気付いた人へのご褒美といったところでしょうか。
 
過去問演習では、試験時間を有意義に使えるように実践的な練習もしていきます。

塾長の夏休み 後編

西穂高岳山頂から、奥穂高岳まで、ここからが本番です。

ここからは登山道というよりは、崖をよじ登ったり、へつったり、
鎖場を慎重に下ったりで、
1:25000の地図上では10㎝ぐらいの距離(10㎝×25000=250000㎝=2.5㎞)ですが、
6時間半ぐらいかかります。
「1:25000の地図上で10㎝は実際の距離にすると何㎞でしょう」
は、中学入試の定番ですね。
 
昼を過ぎると稜線付近はガスに包まれ、寒いくらいでした。

確かに気温は100m上がるごとに0.6℃(湿潤空気の場合)下がりますから、
高山市が34℃でも、3000mのここは3000÷100=30 34-0.6×30=16℃となり
寒いはずです。あちらこちらに真夏でも雪が残っていました。

「地上が34℃のとき、3000mの山頂の気温は?」
滝中学で出題されそうです。
 
奥穂高岳(標高3190m、日本第3位)に着くころには小雨混じりの天気になってしまったので、
そのまま急いで穂高岳山荘まで下りました。
 
最終日は、下山のルートの選択に悩みました。
頂上付近が厚い雲に覆われていたので、涸沢経由で帰ることにしました。
今年は雪が多かったせいで涸沢のキャンプ場周辺も雪がたくさん残っていました。
この雪がやがて梓川に、そして犀川になり長野盆地で千曲川と合流して日本最長の川、信濃川になります。
「犀川と関東地方から流れてきた(  )川は(  )盆地で合流し、(  )川に名称を変えて(  )平野に流れ込む」
なんて、いかにも東海中学や南山男子中学に出題されそうです。
東海中学を受験するうえで、
知っているけれど文章で説明できない、では命取りになります。
 
 
山小屋から下山口である上高地までは、距離にして約22km、
下るだけでも約7時間ぐらいかかりました。
 
年に一度の登山、来年も体力や気力が充実していれば、
また登りに来たいと思います。

1

« 2017年8月 | メインページ | アーカイブ | 2017年10月 »

このページのトップへ